新日本プロレス 1996年1月4日(木)東京ドーム大会 試合結果
試合開始15時 観衆6万4,000人=超満員 ※テレビ収録
▼オープニングマッチ=30分1本勝負
①○永田裕志 大谷晋二郎 石沢常光(10分15秒 腕ひしぎ逆十字固め)金原弘光 桜庭和志 ×山本健一
永田裕志「気持ちいい緊張がありましたね。すでにやっているから、手の内はわかっているし、怖いという気持ちはなかった。もっと個人の試合がしたい。」
▼小島聡凱旋帰国試合=30分1本勝負
②○天山広吉(9分24秒 ダイビングヘッドバット→片エビ固め)×小島聡
※小島聡、帰国第1戦
小島聡「絶対、天山は逃がさないからな!まだまだこれからだ!」
▼IWGPジュニアヘビー級選手権試合=60分1本勝負
③○獣神サンダーライガー<挑戦者>(18分59秒 スターダストプレス→体固め)×金本浩二<王者>
※金本浩二が3度目の防衛に失敗。獣神サンダーライガーが第26代王者となる。
獣神サンダーライガー「ここで負けてたら何言われるかわからなかった。サムライもベルト持ってるし。ペガサスもいるし、何も怖いもんない。俺たちの年代の時代ですよ。第1挑戦者には大谷を指名します。うるさいこと言ってるし、負けてるから。ビビりあがってなかったら次のシリーズ、札幌でも最終戦でも。他団体でも挑戦したいやつがいたら、いつでも受けますよ。その結果、僕も他団体に上がることもあると思う。今年は動きますよ。ベルトは他団体への通行手形になる。まあ、大谷が『怖い!』って言ったら、そんなもんてこと。『ママ、こわい』って言うかも。」
金本浩二「完敗です。でも、世代交代はまだまだこれから。何回でもやってやりますよ。」
▼平成維震軍VS狼群団大将決戦=45分1本勝負
④○越中詩郎(9分45秒 首固め)×蝶野正洋
越中詩郎「蝶野なんか相手じゃねえよ、IWGPに一番近いのは俺だよ。今日勝った奴に俺が一番先に名乗り出て挑戦してやるよ。近いうちにいってやるよ。チャンス、一度逃したけどね。今度はもう逃さないからな。96年、とばすからね、ぶっとばすよ。一発目にIWGP、俺が取る。」
▼特別試合=45分1本勝負
⑤○冬木弘道(6分42秒 ラリアット→片エビ固め)×安生洋二
冬木弘道「相手になんないな!次、どうしてもって言うなら6人タッグだな!教えてやるよ、こういう風にやるんだってな。俺のプロレスのテクニックについてこれなかったな、3人ともね。何も面白くないな。勝とうと思ったら1分か2分でパンパンパンだよ。北尾にいつも蹴られてるんだから、90kgぐらいが蹴っても効かないよ!あいつは俺の真似しているだけだから。俺が元祖だから。元祖には誰もかなわない。もう、いい?アグリーサンオブアビッチ!」
安生洋二「あ~あ、(ガムテープが)取れねーよ。何でもありだな、チクショー。高山、ありがとう、助けに来てくれて!結果は負けとして残るかもしれないけど、新しい仲間ができたからな。高山、一緒に頑張ろうな!あいつらも天山たちも絶対ぶっ潰してやるよ!」
山本健一「頭おかしいよ、あいつら。」
▼ノーザンライト・ファイナルマッチ=60分1本勝負
⑥○佐々木健介(16分36秒 ノーザンライトボム→体固め)×馳浩
(試合後、リング上で)馳浩「人それぞれに運命があると思います。その運命に従って、これからも闘いは続けます。新日本プロレスの10年間、感謝しています。」
佐々木健介「馳は最後までプロレスラーだった。あいつは中途半端な気持ちで東京ドームのリングに上がってきたわけじゃない。最高だよ。俺はもう入門したての頃からの記憶がね、頭の中を駆け巡ったよ。ほんとはね、悲しんだらいけないんだけどね、新しい道を歩んでいくんだから。試合がうまい下手とか、そういうのを抜きにして今までで1番気持ちが伝わった試合だった。こんな試合ができて、レスラーになってよかったよ。俺はずっと待ってるよ。中途半端なことをして帰ってくるんだったら、俺はもういらないけど、とことんやって、その世界で終わるんだったら終わるで俺はちゃんと見届けるし、帰ってくるんだったら俺はいつでも迎えるよ。でも、お互いに10年しかやってないけど、たった10年だけど・・・最高の10年だった。」
馳浩「思った通りの試合ができなかったのが申し訳なくて。10年間一緒にやってきて、こういう形になってしまって、申し訳なく思います。まあ、ただ、これも運命だろうからね。2人で競い合ってきたし、これが今までの財産なんだからね。こうやって政治の道を歩みだしたのも1つの運命だろうから、みんなに対して恥ずかしくないように。これからまた、政治の世界では新弟子みたいなもんだから、あっちへいって踏まれ、こっちへいって踏まれて、コツコツとやっていくしかないです。未練はありますけど、ひとまず区切りをつけないことにはね、先には進めないという結論です。未練も思い出も悔しいこともありますけども、今度は自由民主党のヤングライオンとして、精一杯頑張りますよ。それがやっぱり、こうやって送り出してくれた健介への恩返しだと思います。感謝しています。一生懸命政治の世界でがんばります。いままで毎日、一生懸命やってきましたから、これからも今までと同じような気持ちで頑張ります。」
▼INOKI FINAL COUNT DOWN 5th=60分1本勝負
⑦○アントニオ猪木(14分16秒 腕ひしぎ逆十字固め)×ビッグバン・ベイダー
▼新日本プロレスVSUWFインター=60分1本勝負
⑧○長州力(5分46秒 サソリ固め)×垣原賢人
長州力「若いとかそういうんじゃなく、俺が言ってんのはね、ああいうスタイルは安生戦で見せてんだから。でもやっぱり、そういうスタイルでないと来れないというか、うん。本来、あれは俺のスタイルじゃないんだよ。まあ、途中でなめたわけじゃないけど、いいの食らったからね、キレたことはキレたけど・・・でも、何かやっても形を変えるというか、スタイルを変えるというか、全体的に見て、基本がな、うん。レスラーの底力っていうか、窮地に自分を追い込んでも爆発できるっていうか、それがレスラーの強さだと思うんだよな、うん。まあ、会長ともちょっと話したけど、アントニオ猪木をどーのとは言えないね。多分、あの人はリングの上で万一、死んでもいい、というファイトをしていた。まあ、そこまで若いもんに教えようとは思わないけど、一番、新日本の神髄にあるプロレス、レスラーとは何かっていうのを口はばったいけど、俺たちぐらいになると感じてくるね。まあ、俺はっていうと、まだまだだけど。体力どうのこうのじゃないんだよね。自分がどう向かうか姿勢を見せるというね、これを若い選手が学んでくれればいいけど、ある部分、怖くもあるね。(アントニオ猪木の試合を見て燃えたか?)あったね、うん。カード作るの大変だったんだよ俺は本当に。俺のせめて後ぐらいに、と思ったんだけど、会長にお願いして、前でやってくれということで。もう、会長は前も後ろも関係ないみたいね。じゃあ、俺が前ですごいものやるから、どんどんどんどん凄いものを見せろ、と。これから試合見てみるけどね。まあ、俺は俺のスタイルをやってると思っているし、周りがどうのこうの言おうと、プライド持ってこの世界で飯食ってるし、うん。こんなところだな。」
▼超・蹴激戦=60分1本勝負
⑨○橋本真也(9分18秒 垂直落下式DDT→体固め)×山崎一夫
▼IWGPヘビー級選手権試合=60分1本勝負
⑩○高田延彦<挑戦者>(17分57秒 腕ひしぎ逆十字固め)×武藤敬司<王者>
※武藤敬司が6度目の防衛に失敗。高田延彦が第18代王者となる。
(試合後、リング上で)高田延彦「次は誰だオイ。橋本!オラ越中!健介はいるか健介も!次は誰だ!」橋本真也「よく武藤に勝ったな。防衛戦は俺1人で十分だ!」越中詩郎「高田、俺が潰してやるから覚えとけ!」佐々木健介「高田さん、おめでとう。でも今のアンタには、そのベルトは荷が重すぎるぞ!」
高田延彦「Uを守ったとか、そういう実感はないです。ただ、ずっと若い選手が守って闘ってきてくれて、リングで一緒に喜んでくれたというのは、もしかしたら勝ちと同じぐらい嬉しいんじゃないかなと思います。(武藤敬司について)絶対にスタンドで蹴ってこないと思ったから、全然ガードの用意してなかったんで、それがいきなりローキック来て、パーンと外側に当たったのが試合中も痛かったんですね。あれぐらいの体重があって、蹴りはあんまりやってなくても、ドーンって蹴るとドーンってくるんだなっていう。あれでオールラウンドでそういうものまでやられたら、大変なアレになるんじゃないかな。蹴り脚を取った時に、こうやって持ってモタモタしていると自分はやっぱり、飛んで蹴ったりとか、それから寄っていってのヒザ蹴りを・・・多分警戒していたと思うんですよ。取った体勢で巻き込んじゃうんで、任せちゃって・・・いってしまえと、今日はそういう作戦をとったんですけど。当然、武藤選手は蹴りをガードするんじゃなくてつかんでくることしかできないんで、固執というよりもあれが常套手段じゃないかと思います。完勝かどうかわからないですけど、終わったなっていう感じですね。」
武藤敬司「いやぁ、10月9日の時よりすべての面で重く感じた。だけど、おっちょこちょいの方で新年早々、こう勢いづいてると後が困るから、丁度このぐらいでいいんじゃないかと自分で思うよ。もともと去年も追い上げだったからね。ちょっと去年の10月9日ぐらいからチャンピオンっていうの、どういうアレでいくかっていのを若干、見失った。チャンピオンになる前の落ち込みから比べたら、今は全然関係ないから。まだ1勝1敗だし、チャンスがあると思うし。」
アントニオ猪木「結果としては新日本にはショックですが、それはさておき、我々の共通の目的は世界に向けて飛び出そうということで、あえて高田に塩を送ったというか、ひとつのワクからもうひとつ脱皮して、何か大きな飛躍にする年に・・・前から訴えていたのがいよいよ現実化してきた。今日は非常に達観して見てたんですが・・・このまま黙って新日本が引き下がるのかな、それとも出るのかな、出なければ俺が出なきゃならないのかな、そんな思いをしながら見てました。ま、欲を言えば怒りのエネルギーがもうひとつ大きく、新日本に渦巻いてもらえるといいな、そんな感じがしてました。今のままではなかなか世界に飛び出すのはちょっとしんどいかな、そんな複雑な気持ちで見てましたけど、でも、今日がひとつの刺激になればな、と思います。」
橋本真也「高田が俺の名前を呼ばなくたって俺は上がっていたよ。俺の目は高田のところにいたし、高田の目も俺のところへきていたし、奴が強いんだったら奴を倒して俺が一番強くなる。そんな気持ちだね、今。」